網入りガラスとは、事故や火災時にガラスが飛散しないように金属のワイヤーが入ったガラスです。冬に起きることが多いのですが、この強そうな網入りガラスが前触れもなく、突然バキバキっとひび割れすることがあるのです。
この現象は網入りガラスにある熱が伝わって、突然ひび割れることから「熱割れ」といいます。「熱割れ」の原因はいったい何なのかを知って、予防対策を万全にしましょう。
また、万が一網入りガラスが「熱割れ」してしまった場合、私たちはどのような処置をしたらよいのか、これからご紹介していきます。
網入りガラスに熱割れが起きるメカニズム
網入りガラスは、普通の透明なガラスより3倍ほど「熱割れ」が起きやすいといわれています。それはなぜなのでしょうか?
じつは、網入りガラスに「熱割れ」が起こる原因には、中に入っているワイヤーが関係しています。網入りガラスには、事故や火災などの際に、ガラスが割れて飛び散ってしまわないよう金属製のワイヤーが入っています。
網入りガラスの温度が低くなっているところに部分的に熱が加わって、ガラスやワイヤーの一部分だけが膨張すると、ほかの部分が急に引っ張られて割れてしまうのです。
冬に網入りガラスの熱割れが起こる理由
冬場は気温が低いため、窓際にある網入りガラスは全体が低温になっています。そこに何らかの原因で一部分だけに熱が加わってしまうと、ほかの季節よりもさらに温度差が生じやすくなります。部分的に温度差が生じて、一部が膨張することが「熱割れ」の原因なので、どの季節でも網入りガラスにお湯をかけないほうがよいのです。
しかし、「熱割れ」のメカニズムがあまり知られていないので、雪の降る地域でもうっかり結露した網入りガラスにお湯をかけて「熱割れ」が起きてしまうようです。
また冬に暖房器具を使うことも「熱割れ」が起こる一因です。暖房器具の置き場所によっては、ほかの季節よりも網入りガラスに部分的な温度差を生じさせてしまうことがあります。そうすると、ひび割れが起きやすくなってしまうのです。
それ以外の「熱割れ」が起こる理由として、網入りガラスの品質が製造段階から悪い場合が考えられます。
結露が発生しやすい冬場に、品質の悪い網入りガラスの金網部分に結露の水が入ってしまうと、金網がさびやすくなります。金網がさびて、小さなひび割れができていると、「熱割れ」が起こりやすくなってしまうのです。
よくある熱割れの原因と予防策
よくある「熱割れ」の原因としては、急な温度変化によりガラスやワイヤーの一部分が膨張し引っ張られてしまうことにあります。それでは、膨張による「熱割れ」を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか?
ガラスの結露にお湯をかける
ガラスの結露を取ろうとしてガラスに温かいお湯をかけると、一部分だけが膨張して「熱割れ」の原因になります。お湯をかけるのは危険なのでやめましょう。
窓ガラスの近くに暖房器具を置く
外気で冷やされた窓ガラスに暖房器具の熱が加わると、ガラスの一部分だけ温度が上昇して割れてしまいます。近くにはできるだけ暖房器具を置かないようにしましょう。
窓際にハンガーで服をかける
窓際にハンガーをかけると、服があるところとないところで温度差が生じてしまいます。服がかかっているところは冷たいままで、服がないところには日光が当たり、その一部分が高温になり膨張すると、割れてしまいます。
窓際でヘアドライヤーを使用する
明るい窓際で髪を乾かそうと、窓際でヘアドライヤーを使用した経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
窓際でヘアドライヤーを使用すると、ヘアドライヤーから出た熱風が外気で冷えた窓ガラスに当たってしまい、一部分だけ熱をもつおそれがあります。ほかの部分は低温なのに、熱風が当たったところが膨張すると、ガラスが割れてしまいます。ヘアドライヤーの熱風が直接網入りガラスに当たらないように気を付けましょう。
網入りガラス自体の品質が悪く、金網のさびや小さいひびがあった
もともと品質がよくないものだと、製造過程で中に空気や水分が入り込むことがあるそうです。空気や水分が入り込んだ網入りガラスは内部の金網がさびやすく、さらにひび割れができていると、「熱割れ」が起きやすくなります。「熱割れ」によって大きく破損する前に、交換したほうがよいでしょう。
遮るものがなく太陽の光や熱をもろに受ける天窓
部屋が明るくなり快適に過ごせる大きな天窓は、じつは「熱割れ」が起きやすく危険です。安全のため、飛散防止を優先して網入りガラスにしている場合もあります。しかし、網入りガラスは通常のワイヤーのないガラスのおよそ2倍も「熱割れ」を起こしやすいのです。
また網入りガラスの天窓は、雨風を受けてフレーム周りのゴムが劣化しやすいです。周りが劣化するとガラス内に水が入り、ワイヤーにサビが入るとさらに割れやすくなります。
「熱割れ」で何度もガラスを取り替えてしまっては、非常にコストもかかります。できれば最初から耐熱性の高いガラスを選ぶようにしましょう。天戸などあれば、朝は閉めておくとよいかもしれません。
熱割れした網入りガラスの応急処置
網入りガラスは、普通のガラスより強力に見えがちな網入りガラスですが、「熱割れ」してしまうことがあります。「熱割れ」してしまったら、早急に正しい対応が必要です。
正しいガラスの応急処置法
ガラスにひびが大きく入ってしまった場合、そのひびはどんどん広がっていきます。大きな破損事故でけが人が出る前に、ガラスにひびが入ってしまったら早急にガラスを交換しましょう。
ついついやりがちなNG処置
ガムテープや接着剤で貼り付けても、ひびは遅かれ早かれ広がっていくのです。強化ガラスだから大丈夫、網入りだから大丈夫だということはありません。
グレイジングチャンネル(グレチャン)も劣化してない?
グレチャンとは網入りガラスの周りを囲んでいるゴムの部分です。カタカナの「コ」の字のような形をしており、ガラスを包み込んで固定しています。
年数が経ってグレチャンが劣化してしまうと、ゴムのすき間から網入りガラスの中に水が入ってしまいます。すると、内部のワイヤーがさび、窓ガラスのドアの開閉による衝撃を吸収できなくなり、少しの衝撃でも突然網入りガラスが割れる危険があります。
そうならないためにも、グレチャンが劣化したら、早急に取り換えが必要です。
ガラス修理費用の相場はどれくらい?
ガラスの割れは、小さいものだとガラス専用の接着剤やガラステープで補修ができます。しかし、これは単にヒビ割れを補修するものであって、ガラスの耐久性は低くなってしまいます。
「熱割れ」でガラスが割れてしまった場合は、ガラス交換をしましょう。割れたガラスの範囲など、ガラスの状態によっても、ガラス交換にかかる費用は異なります。まずは見積りを取ってみましょう。
ガラス代と工事費以外にも、出張費などの追加料金がかかるかもしれません。出張費がかかってしまう場合、近所にあるガラス屋さんに頼むほうが安いこともあります。
近くのガラス修理屋さんや、インターネットで探した業者などいくつかの業者を比較して、信頼できて納得のいく費用で、修理を依頼できる業者を見つけましょう。
ガラス修理にかかる費用は、小さなガラスであれば3,000円くらいから、大きな網入りガラスは15,000円~25,000円程度とさまざまです。1ヶ所だけではなく複数の見積りを取って考えるとよいでしょう。
まとめ
網入りガラスの「熱割れ」について、あまり知らない方も多かったかもしれません。冬場の大きな温度変化が網入りガラスにとってよくないことを知っていれば、「熱割れ」を防げる可能性が高くなります。
それでも、ガラスは繊細なため「熱割れ」を起こすことがあります。そのときは自己判断で間違った対応をせずに、きちんとプロの業者に依頼して、早めの修理をしてくださいね。
“フロートガラス”というと、聞き慣れないという人が圧倒的多数でしょう。しかし実は、フロートガラスは私たちの暮らしに非常に身近な存在です。といわれても、すぐにピンとこない人が多いでしょう。フロートガラスは一般的にいわれるガラス、そのものを指します。
日本でもっとも普及しているガラスが、フロートガラスといっても過言ではないでしょう。昔から長いあいだ使用されてきたフロートガラス、その存在は私たちの普段の暮らしに欠かせない存在です。フロートガラスは、さまざまなガラスの元にもなっています。
“普通のガラス”、フロートガラスの特徴とはなんなのでしょうか?灯台もと暗し、身近過ぎるものほど、その情報については詳しくないことが多いでしょう。あなたの持つその疑問、当コラムがすべて解消します。フロートガラスの永久保存版、ぜひ最後までご覧ください。
フロートガラスとは
“ガラス”といっても、その中にはいくつもの種類が存在しています。強化ガラスや防音ガラス、断熱ガラスなど、その種類もさまざまです。その種類の中のひとつである“フロートガラス”、その具体的な正体とは、一体どのようなものなのでしょうか?
いわゆる「ふつうのガラス」です
フロートガラスは、私たちが日常的に目にするガラスのなかでも、もっとも一般的な存在です。フロートガラスはまったくの透明ではなく、厚みがあったり、重ねたりすると鮮やかな緑色を発色するようになります。なんだか景色が緑に見える原因は、このガラスです。
純度の高い、まったくの透きとおったガラスは“高透過ガラス”と呼ばれています。緑をたたえるフロートガラスとは、透明度が異なるのです。フロートガラスの特徴は詳しく後述しますが、加工のしやすさや、厚みの種類が豊富なことが、大きなものといえます。
こんな場所に使われています
一般的、といわれるくらいです。フロートガラスが使用されている場所は、非常に多岐(たき)に渡ります。窓ガラスへの使用はもちろん、ガラス製のテーブルや棚板や扉にまで、その使用用途は多種多様です。日常的に目にする機会も多いでしょう。
また、フロートガラスは厚みが増すと強度も上がります。その代表例が、熱帯魚などを泳がせるための“水槽”への利用ではないでしょうか。大量の水を注ぐため、使用するガラスに強度は必須です。水槽に使用されるフロートガラスの強度は、抜群といえるでしょう。
フロートガラスの歴史
ガラスの中でも、もっとも普及しているといわれているフロートガラス。その歴史の始まりは、1952年にまで遡(さかのぼ)ります。フロートガラスが開発されたのはイギリス。溶かしたガラスの溶液を、熱した錫(すず)の上に浮かべることで、完成しました。
それ以前のガラスは表面の凹凸がひどく、ガラスをとおして見えた景色は歪んだものになったといわれます。その症状を見事に解消したフロートガラス。その開発は、ガラス業界を大きく変えたことでしょう。現在でもガラスの多くは同様の手法で作られています。
フロートガラスを使用するメリット
大きく普及しているフロートガラス。その背景には、フロートガラスの持つさまざまなメリットが存在しています。一般的なガラスともいわれるフロートガラスですが、ほかのガラスにはない、いろいろな個性も持ち合わせているのです。詳しく紹介しましょう。
厚みの規格が10種類もあり豊富
フロートガラスは、ガラスの基礎になるものです。そのため、選べる種類、とりわけ厚みに関しては選択肢が非常に豊富です。代表的な10種類の厚みは、下記のようなものです。
- 2mm
- 3mm
- 4mm
- 5mm
- 6mm
- 8mm
- 10mm
- 12mm
- 15mm
- 19mm
これだけの厚みの選択肢を持つガラスは、ほかにないでしょう。とりわけ、フロートガラスは厚みによって印象や雰囲気が大きく変わります。窓ガラスであれば、景色の見えかたにも、大きく影響を及ぼします。透明度や頑丈さで選ぶことも、可能になるでしょう。
加工しやすく、価格も安い
フロートガラスは加工しやすく、かつ価格が安いことも大きなメリットでしょう。好みの大きさに切りわけたり、穴を空けたりすることも容易です。DIYなどで、自分で加工をすることも難しくはないでしょう。変わった形にすることも、できるかと思います。
また、フロートガラスは流通している量が多いため、ほかのガラスよりも安い価格で入手することができるでしょう。加工のしやすさも相まって、非常に使い勝手がよいガラスといえます。フロートガラスが広まった背景には、価格設定の安さの影響も大きいでしょう。
対応業者が多い
1952年に開発されたフロートガラス、その歴史の長さから、対応できるガラス業者の数が多いということもメリットでしょう。フロートガラスは、多くのガラスを扱う業者に常備されており、修理や交換の要望に対しても、ほとんどの業者が対応することが可能です。
ガラストラブルの大多数を占めるであろうヒビや割れなどに対応できる業者が多いということは、トラブルの解決も容易なことを意味します。迅速な作業も期待できるでしょう。
デメリットは、高機能ではないこと
多くのメリットが存在しているフロートガラス。一般的とはいうけれど、多くの個性を持ち合わせていますよね。反面、フロートガラスが持つデメリット。それは“高機能ではないこと”です。よくも悪くも、フロートガラスは一般的なガラスなのです。
たとえば、強度の面では強化ガラスに軍配が上がるでしょう。防音の面では防音ガラスに、断熱の面では断熱ガラスが圧勝します。フロートガラスの使い勝手は抜群ですが、新しいガラスに比べると、追加の機能がなく性能面ではどうしても劣ってしまうのです。
フロートガラスには上記のように多くのメリットと、少ないデメリットが備(そな)わっています。歴史が証明しているように、フロートガラスの信頼性は確かなもの。一般的といわれる理由は、ここにもあります。必要十分な機能を持ったガラスの代表例でしょう。
フロートガラスの耐用年数は数十年と長い
こちらも同様に、フロートガラスのメリットともいえるかもしれません。フロートガラスの耐用年数の目安となるのはなんと20年以上。中には「40年以上の使用を続けてもいまだに現役」という声もあるほどです。およそ半世紀ほどの耐用度、圧巻といえるでしょう。
手入れを欠かさずおこなえば、非常に長い期間を共に過ごすこともできるでしょう。家の外壁塗装や屋根の張り替えなど、代表的な家の建具は定期的なお手入れが欠かせません。その点フロートガラスの長寿命は、家の維持費を考えるうえでも有益といえます。
フロートガラスの耐熱温度は100度強!
ガラスというと、熱に弱い印象があるという人も多いでしょう。しかし、その印象はフロートガラスには当てはまりません。フロートガラスの耐熱温度はなんと100℃、熱湯を不意にかけてしまっても、割れる心配はないのです。この特徴は意外だったでしょうか?
とはいえ、例外はあります。それはガラスと熱のあいだに、大きな温度差が生じたときです。たとえば、熱したガラスを急激に冷やしたり、冷たいガラスに熱湯をかけてしまった場合は、パリンと割れてしまうことがあるのです。温度差には弱いといえるでしょう。
ちなみに、熱に強いといわれている強化ガラスの耐熱温度はおよそ210℃、この点強化ガラスは優秀でしょう。とはいえ、加工がしやすく価格も安い、さまざまなメリットがあるフロートガラスの耐熱性としては十分でしょう。需要(じゅよう)を満たす機能といえます。
フロートガラスは最大どのサイズまで作れるのか
さまざまに輝くメリットが光るフロートガラス、その存在は無視できません。そして、ここからの情報も非常に有益なものです。フロートガラスで作れる最大のサイズ、気になるのではないでしょうか?加工ができても大きさが足りなければ、意味がありませんよね。
フロートガラスの最大寸法は、およそ2,000mm×3,000mmです。この最大のサイズを基準に、それぞれの用途に合わせたサイズにガラスを加工、状態をアレンジしていきます。業者に依頼をすれば、自分好みのオリジナルサイズに処理してもらうことも可能でしょう。
そのとき気になるのが、フロートガラスの加工をはじめ、修理や交換にかかる費用ではないでしょうか?自分だけの好きなサイズに加工をしてもらうほか、窓ガラスが割れたり、棚のガラス板にヒビが入ってしまったりすることもあるでしょう。
そんなときに依頼する業者選び、価格が安いとはいえ、少しでも安く抑えたいというのが人情でしょう。そんなときは、インターネット上にある比較サイトを使用してみてください。いくつかの業者が提示する作業の費用を簡単に比較、検討することができます。
また、具体的な業者選びをするのであれば、業者の公式サイトやクチコミサイトを参照してみることも、非常にお役に立つでしょう。公式サイトでは業者のこれまでの実績や事例の確認を、クチコミサイトでは作業を依頼した人の“生の声”を知ることができます。
フロートガラスの魅力を最大限に発揮させるのであれば、依頼する業者選びも重要な要素でしょう。せっかくなら信頼のおける業者に作業を依頼したいところ。ぜひこの章の情報を参考にして、信頼のおける素晴らしい業者を、探し出してみてください。
まとめ
もっとも一般的なガラスといわれるフロートガラス、その正体は私たちの暮らしにとても身近なものでした。今現在フロートガラスを自宅で使用している、という人も多いでしょう。日常的に目にするガラスの中にも、フロートガラスは多く存在しています。
1952年に開発されてから、多くの場所で使用され続けているフロートガラスは、その信頼性も抜群でしょう。使用されている歴史が長いということは、それだけ知識の積み重ねがあり、対応できる業者の数も多いといえます。修理や交換のときも、対処は容易でしょう。
厚みのバリエーションも多く、加工がしやすい、価格も安いなど、多くの面でメリットを持つフロートガラス。これからご自宅に導入しようという人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?新しいガラスにはかないませんが、必要十分な機能を持ち合わせています。
耐用年数の長さ、耐熱温度の高さは、目を見張る事実でしょう。最大寸法も十分に大きなものといえ、加工を依頼するにも問題ありません。お好みに合わせたガラスの姿を実現するために、フロートガラスは多くの選択肢をあなたに与えてくれます。
ガラスの加工はもちろんのこと、修理や交換を業者に依頼するのであれば、簡単にできる費用見積りをおこなってみるのがよいでしょう。信頼できる業者を探し出すことができます。身近なところにあるフロートガラス、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか?
新しい家に越してきたら周囲の騒音が気になるという人や、自宅の周りの環境が変化して騒音が気になるようになったという人もいるでしょう。騒音でお悩みであれば、防音対策をすることがおすすめです。とくに窓ガラスは騒音が侵入しやすい場所なので、窓ガラスの防音対策はとても効果的です。
このコラムでは、窓ガラスの防音対策の方法について解説していきます。防音対策にはさまざまな方法があるので、ご自身の環境にあった方法を選んでみてください。
防音のカギは窓にある!
窓ガラスの防音対策について解説する前に、まずはなぜ窓ガラスから騒音が伝わりやすいのかをご説明します。窓ガラスは音を伝えやすい構造をしているため、防音対策するときは、まず窓から対策するとよいでしょう。
窓は壁に比べて薄い
住宅の壁は、さまざまな壁材でつくられていますが、すべて合わせると厚さがおおよそ155mm程あるとされています。それに比べて、基本的な窓ガラスの厚さは3~5mmと大変薄いです。
そのため窓がない部屋よりも、窓がある部屋の方が、騒音が伝わりやすくなってしまうのです。窓がない部屋なら静かに感じるような音でも、窓ガラスがある部屋では、でうるさく感じてしまうほど、聞こえ方にも違いがあります。
現在、複層ガラスとよばれるものを、窓ガラスに使用しているお宅もあります。この複層ガラスは2枚のガラスを使用し、間に空気またはガスの層ができたものです。このガラスは断熱効果や結露防止に効果があるようですが、防音には効果はありません。ガラスを2枚使用している分、防音効果もありそうですが、通常のガラスとさほど変わりません。
その理由は、音は空気の振動で伝わるからです。複層ガラスの2枚のガラスは同じ厚さでできているので、2枚とも同じように振動します。そのため、音を小さくすることができないのです。
窓とサッシの間にはすきまがある
窓ガラスから音が侵入しやすい原因には、ガラスの厚さ以外にも理由があります。それは窓ガラスにはサッシがあることです。
サッシは窓ガラスの開閉をスムーズにおこなうために、すきまが空いています。そのすきまを通って、音が侵入してくるのです。しかも、サッシは1mm程度のアルミを使ってつくられているので、簡単に音を通してしまいます。このようなことから、窓ガラスは音を伝達しやすい場所となっているのです。
【窓の防音1】しっかり対策編
いよいよ、窓ガラスの防音対策について解説していきます。しっかりと防音したいのであれば、やはり業者に相談するのが一番でしょう。
防音ガラスに交換する
防音ガラスは、2枚以上のガラスでできています。そう聞くと複層ガラスのようですが、ガラスとガラスの間に特殊中間膜というものを挟んでいます。(防音ガラスを使用した複層ガラスもあります)
この特殊中間膜は振動を熱に置き換え、音の波を消滅させる効果があります。どの音域にも効果があるため、防音性が高いです。サッシにも防音タイプがあり、これとあわせて使うとさらに効果的です。
二重窓(二重サッシ・内窓)にする
既存の窓をそのままに、内側にもうひとつ窓を取り付けることによって二重窓にする方法もあります。既存の窓と、内側に取り付けた窓との間で音が反復するため、部屋の中にまで音が伝わりにくくなります。既存の窓をそのまま使うので、おおがかりな工事はいりません。
ただし、窓のタイプや、内側にもうひとつの窓を取り付けるスペースがあるかどうかで、施工方法が変わってきます。また、内側に取り付ける窓ガラスの防音性によって、効果に差が出てきます。そのため、防音性の高いガラスを選ぶことが大切です。
二重窓には防音効果以外にも、うれしい効果があります。それは断熱効果が高いことです。断熱効果が高いということは、夏は室内を涼しく保ち、冬は室内を暖かく保つことができるということです。また、その効果により、結露を抑えることもできます。まさに、よいことだらけの窓といえます。
ガラスの交換、二重窓の設置は自分でできる?
防音ガラスへの交換や二重窓の設置を、自分でできないかとお考えの人もいることでしょう。自分でできれば費用も抑えられるため、うれしいところです。しかし、これらの作業を素人がおこなうのは大変難しいです。
施工には家の構造をよく把握し、家屋の歪みに合わせた部材を用意しなければなりません。適切に施工できないと、窓の脱落がおこり、ガラスの破損、怪我などにつながりかねません。防音ガラスへの交換や、二重窓の設置は、必ず業者に依頼して施工してもらいましょう。
【窓の防音2】おてがる対策編
防音にかける費用を抑えたい、おおがかりな施工はしたくないという人もいるでしょう。ここでは自分でできる、簡単な窓ガラスの防音方法をご紹介していきます。
窓とサッシの隙間をふさぐ
窓とサッシにできるすきまを、テープを使ってふさいで、防音することができます。このときに使うテープは防音テープ・遮音テープ・すきまテープなどさまざまな名前でよばれています。好きな長さにカットして貼り付けるだけなので、作業も簡単です。
しかし、テープですきまをふさぐだけでは、あまり防音効果は感じられないかもしれません。ほかの方法と併用して使うとよいでしょう。また、テープは経年劣化してボロボロになってしまうので、定期的に交換も必要です。
防音シートを張る
防音シートは、ガラスに貼って使用します。厚みがあるほど、防音効果は高いです。しかし、厚みがあるとそのぶん取り扱いが難しくなるので、どれくらいの防音効果が必要かなどによってシートを選ぶとよいでしょう。
このシートは、簡単に剥がすことができるので、賃貸などでも使いやすいでしょう。また、窓ガラスにシートを貼り付けると、結露を防ぐ効果もあります。貼るときは、すきまができないよう少し大きめにカットしてから貼るとよいでしょう。
防音カーテンに変えてみる
防音カーテンはさまざまなタイプのものがあります。
- 樹脂コーティングしたもの
- 金属をコーティングしたもの
- 吸音効果がある特殊な織り方でできたもの
- 生地を複層にしたもの
またこれらを併用してつくられた防音カーテンもあります。防音カーテンを設置するときは、窓からの音が伝わらないように、しっかりと窓をカバーするサイズのものを選びましょう。
ただし、防音カーテンは低音には効果があまりないです。そのため、工事の音や車・電車の音などは、防ぐのが難しいでしょう。
簡単にできる対策では効果が感じられないときは
このように、自分でも簡単にできる防音対策もありますが、やはり防音ガラスや二重窓に比べると効果が落ちてしまいます。自分でできる方法を試してみて、それでも騒音が気になるときは、ぜひ業者に相談してみてください。弊社では、お客様のご相談に合わせて業者をご紹介しています。お悩みのことがあれば、一度相談窓口までご連絡ください。
ガラスにできた傷は、傷の度合いによって対処方法が異なります。小さな傷であれば自分で対処することも可能ですが、大きなガラス傷は早めに業者へガラス交換を依頼することをおすすめします。
このコラムでは、小さなガラス傷の対処方法とガラス交換の費用相場について解説していきます。ガラスの傷でお悩みの際は、参考にしてみてください。
小さい傷の補修方法
基本的に「ガラスの表面の引っかき傷/スリ傷」や「ガラスの表面の軽い欠損」などの小さいガラスの傷は、直すことこそできませんが目立たなくすることは可能です。ここでは、ガラスについた小さい傷を目立たなくする方法について解説していきます。
研磨する方法
研磨剤を使用してガラスの表面を磨く方法です。窓ガラスや車のフロントガラスなどについた小さな傷を目立たなくさせることができます。
しかし、力加減を間違えると余計にガラスの傷が増えたり、ガラスが割れたりなどのトラブルの発展するケースがあるため注意が必要です。ガラスの研磨には以下のようなものが利用できます。
【市販の研磨剤】
「ガラスの傷消し」やガラスの傷修復」として販売されているガラス用の研磨剤です。使用方法は、付属の説明書を確認してみてください。
【酸化セリウム粉末】
ガラスを磨く際に、とくに効果的な研磨剤は「酸化セリウム」という物質です。この物質はガラスと特殊な化学反応を引き起こして傷をなめらかに仕上げてくれるので、ガラス研磨との相性がとくによいとされています。このことから、市販のガラス研磨剤に含まれていることが多い物質です。酸化セリウム粉末で窓ガラスを研磨する方法は以下のとおりです。
- 傷がついた場所を軽く拭き取り、表面についているホコリやゴミを取り除く。
- 容器を用意し、その中で酸化セリウム粉末と水を軽く混ぜ合わせる。
- 酸化セリウム粉末と水を混ぜ合わせたものを研磨する場所にかける。
- 柔らかい布やスポンジなどでガラスをこする。
【重曹】
重曹は粒子が細かく水に溶けないため、ガラスの研磨剤として利用できます。使い方は酸化セリウム粉末と同じで、水と混ぜて傷を布などでガラスの表面をこすれば研磨できます。
【歯みがき粉】
歯磨き粉には歯についた汚れを落とすための研磨剤が含まれているため、ガラス磨きに応用することが可能です。しかし、歯周病や知覚過敏向けの歯みがき粉などには研磨剤が含まれていないケースもあるため注意が必要です。傷に歯みがき粉を塗りつけ、布などでこすってガラスを研磨しましょう。
傷を埋める方法
市販の補修液で傷を埋める方法です。おもに、車のフロントガラスの表面にできた欠損に対応できます。補修液は通販サイトやホームセンターなどで「ガラスリペアツール」「ガラス補修キット」として販売されていることが多いです。使用方法は製品ごとに若干異なるため、説明書を熟読した上で利用するようにしましょう。
大きな傷はガラス交換を
「ヒビが入った」「ガラスが欠けて穴ができた」などの大きなガラスの傷ができた場合は、無理に手を加えずにできるだけ早く業者へ修理または交換を依頼することをおすすめします。
しかし、時間がないなどの事情ですぐにはガラスの修理や交換ができないというケースもあるかもしれません。そこで、ここでは大きなガラス傷ができた際の応急処置方法を解説します。
大きな傷の応急処置方法
大きな傷の入ったガラスは、そのままにしておくと傷が広がって割れてしまう危険性があります。そのため、ガラスの傷がこれ以上広がらないような処置が重要になってきます。
傷が広がるのを防ぐのに有効なのが「補修テープ」です。ガラスの傷に貼り付けることによって、傷が広がるのを防ぐことができます。また、万が一ガラスが割れた際に、ガラス片が飛び散らないようにしケガを予防する効果もあります。テープを貼りつける際は力を掛け過ぎてガラスを割ってしまわないように意識しましょう。
補修テープがない場合は、ガムテープで代用可能です。しかし、ガムテープは防水性能があまり高くなく、ガラス傷から雨水などが侵入してくる可能性があるので、可能な限り補修テープを用意することをおすすめします。
ガラス交換の費用相場について
大きなガラス傷ができている場合はそのまま放置しようとせずに、早めにガラス交換をおこなうことをおすすめします。ここでは、車のフロントガラスと窓ガラスの交換費用の相場について紹介していきます。
車のフロントガラスの交換費用相場
車のフロントガラス交換にかかる費用はおもに「車種」「交換するガラスの種類」によって左右されますが、5~10万円が相場になってきます。
ガラスの種類は大きく分けると、メーカーが作っている「純正品」と二次メーカーで作っている「社外品」があり、基本的に後者のほうが若干安いです。そのため、交換費用がどうしても高いと感じる場合は、社外品のガラスに交換するのもひとつの手です。
また、翌年の保険等級が下がるというマイナス点こそありますが、自動車保険を利用してフロントガラスの交換費用を補填してもらうこともできます。
家の窓ガラスの交換費用相場
窓ガラスの交換にかかる費用はおもに「窓の種類」「窓のサイズ」によって変動します。窓ガラスの種類はたくさんあるため、ここではその中でも一般的なマンションで使われていることが多いものを紹介していきます。
【フロートガラス/透明ガラス】
とくに特殊な加工が施されていなく、価格の安いガラスです。
【網入りガラス】
中にワイヤーが埋め込まれていて、万が一割れた際に破片が飛び散りにくいガラスです。
【型板ガラス/かすみガラス】
表面に凹凸があり、外から中を見通せないという目隠し機能があるガラスです。
窓ガラスのサイズは900×900mm前後/900×1200mm/900×1800mm前後で分けられていることが多く、それぞれ値段が異なります。ガラス業者数社の窓ガラス交換の費用相場についてまとめたので、業者に依頼する際の参考にしてみてください。
【大きさ900×900mm前後】
透明ガラス(厚さ2mm) 約6,000~12,000円
型版ガラス(厚さ2mm) 約10,000~18,000円
網入りガラス(厚さ6.8mm) 約20,000~35000円
【大きさ900×1200mm前後】
透明ガラス(厚さ3mm) 約9,000~20,000円
型版ガラス(厚さ4mm) 約12,000~20,000円
網入りガラス(厚さ6.8mm) 約30,000~33,000円
【大きさ900×1800mm前後】
透明ガラス(厚さ3mm) 約13,000~23,000円
型版ガラス(厚さ4mm) 約14,000~23,000円
網入りガラス(厚さ6.8mm) 約36,000~42,000円
ガラス交換の費用は業者ごとに大きな差が出るケースがあるため、正確な料金を知るのは難しいです。そのため、なるべく交換作業をする前に見積り出してくれる業者を選ぶことをおすすめします。
弊社では、ご自宅の窓ガラスや車のフロントガラスの修理・交換ができる業者をご紹介しています。また、相見積りもおこなえ、施工前であればキャンセル料も不要なため安心してご利用頂けます。相談窓口は無料かつ24時間365日いつでもご利用できるため、ガラスの傷でお困りの際はお気軽にお電話ください。