網入りガラスの熱割れがこわい冬。簡単な予防法があるって知ってた?
網入りガラスとは、事故や火災時にガラスが飛散しないように金属のワイヤーが入ったガラスです。冬に起きることが多いのですが、この強そうな網入りガラスが前触れもなく、突然バキバキっとひび割れすることがあるのです。
この現象は網入りガラスにある熱が伝わって、突然ひび割れることから「熱割れ」といいます。「熱割れ」の原因はいったい何なのかを知って、予防対策を万全にしましょう。
また、万が一網入りガラスが「熱割れ」してしまった場合、私たちはどのような処置をしたらよいのか、これからご紹介していきます。
網入りガラスに熱割れが起きるメカニズム
網入りガラスは、普通の透明なガラスより3倍ほど「熱割れ」が起きやすいといわれています。それはなぜなのでしょうか?
じつは、網入りガラスに「熱割れ」が起こる原因には、中に入っているワイヤーが関係しています。網入りガラスには、事故や火災などの際に、ガラスが割れて飛び散ってしまわないよう金属製のワイヤーが入っています。
網入りガラスの温度が低くなっているところに部分的に熱が加わって、ガラスやワイヤーの一部分だけが膨張すると、ほかの部分が急に引っ張られて割れてしまうのです。
冬に網入りガラスの熱割れが起こる理由
冬場は気温が低いため、窓際にある網入りガラスは全体が低温になっています。そこに何らかの原因で一部分だけに熱が加わってしまうと、ほかの季節よりもさらに温度差が生じやすくなります。部分的に温度差が生じて、一部が膨張することが「熱割れ」の原因なので、どの季節でも網入りガラスにお湯をかけないほうがよいのです。
しかし、「熱割れ」のメカニズムがあまり知られていないので、雪の降る地域でもうっかり結露した網入りガラスにお湯をかけて「熱割れ」が起きてしまうようです。
また冬に暖房器具を使うことも「熱割れ」が起こる一因です。暖房器具の置き場所によっては、ほかの季節よりも網入りガラスに部分的な温度差を生じさせてしまうことがあります。そうすると、ひび割れが起きやすくなってしまうのです。
それ以外の「熱割れ」が起こる理由として、網入りガラスの品質が製造段階から悪い場合が考えられます。
結露が発生しやすい冬場に、品質の悪い網入りガラスの金網部分に結露の水が入ってしまうと、金網がさびやすくなります。金網がさびて、小さなひび割れができていると、「熱割れ」が起こりやすくなってしまうのです。
よくある熱割れの原因と予防策
よくある「熱割れ」の原因としては、急な温度変化によりガラスやワイヤーの一部分が膨張し引っ張られてしまうことにあります。それでは、膨張による「熱割れ」を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか?
ガラスの結露にお湯をかける
ガラスの結露を取ろうとしてガラスに温かいお湯をかけると、一部分だけが膨張して「熱割れ」の原因になります。お湯をかけるのは危険なのでやめましょう。
窓ガラスの近くに暖房器具を置く
外気で冷やされた窓ガラスに暖房器具の熱が加わると、ガラスの一部分だけ温度が上昇して割れてしまいます。近くにはできるだけ暖房器具を置かないようにしましょう。
窓際にハンガーで服をかける
窓際にハンガーをかけると、服があるところとないところで温度差が生じてしまいます。服がかかっているところは冷たいままで、服がないところには日光が当たり、その一部分が高温になり膨張すると、割れてしまいます。
窓際でヘアドライヤーを使用する
明るい窓際で髪を乾かそうと、窓際でヘアドライヤーを使用した経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
窓際でヘアドライヤーを使用すると、ヘアドライヤーから出た熱風が外気で冷えた窓ガラスに当たってしまい、一部分だけ熱をもつおそれがあります。ほかの部分は低温なのに、熱風が当たったところが膨張すると、ガラスが割れてしまいます。ヘアドライヤーの熱風が直接網入りガラスに当たらないように気を付けましょう。
網入りガラス自体の品質が悪く、金網のさびや小さいひびがあった
もともと品質がよくないものだと、製造過程で中に空気や水分が入り込むことがあるそうです。空気や水分が入り込んだ網入りガラスは内部の金網がさびやすく、さらにひび割れができていると、「熱割れ」が起きやすくなります。「熱割れ」によって大きく破損する前に、交換したほうがよいでしょう。
遮るものがなく太陽の光や熱をもろに受ける天窓
部屋が明るくなり快適に過ごせる大きな天窓は、じつは「熱割れ」が起きやすく危険です。安全のため、飛散防止を優先して網入りガラスにしている場合もあります。しかし、網入りガラスは通常のワイヤーのないガラスのおよそ2倍も「熱割れ」を起こしやすいのです。
また網入りガラスの天窓は、雨風を受けてフレーム周りのゴムが劣化しやすいです。周りが劣化するとガラス内に水が入り、ワイヤーにサビが入るとさらに割れやすくなります。
「熱割れ」で何度もガラスを取り替えてしまっては、非常にコストもかかります。できれば最初から耐熱性の高いガラスを選ぶようにしましょう。天戸などあれば、朝は閉めておくとよいかもしれません。
熱割れした網入りガラスの応急処置
網入りガラスは、普通のガラスより強力に見えがちな網入りガラスですが、「熱割れ」してしまうことがあります。「熱割れ」してしまったら、早急に正しい対応が必要です。
正しいガラスの応急処置法
ガラスにひびが大きく入ってしまった場合、そのひびはどんどん広がっていきます。大きな破損事故でけが人が出る前に、ガラスにひびが入ってしまったら早急にガラスを交換しましょう。
ついついやりがちなNG処置
ガムテープや接着剤で貼り付けても、ひびは遅かれ早かれ広がっていくのです。強化ガラスだから大丈夫、網入りだから大丈夫だということはありません。
グレイジングチャンネル(グレチャン)も劣化してない?
グレチャンとは網入りガラスの周りを囲んでいるゴムの部分です。カタカナの「コ」の字のような形をしており、ガラスを包み込んで固定しています。
年数が経ってグレチャンが劣化してしまうと、ゴムのすき間から網入りガラスの中に水が入ってしまいます。すると、内部のワイヤーがさび、窓ガラスのドアの開閉による衝撃を吸収できなくなり、少しの衝撃でも突然網入りガラスが割れる危険があります。
そうならないためにも、グレチャンが劣化したら、早急に取り換えが必要です。
ガラス修理費用の相場はどれくらい?
ガラスの割れは、小さいものだとガラス専用の接着剤やガラステープで補修ができます。しかし、これは単にヒビ割れを補修するものであって、ガラスの耐久性は低くなってしまいます。
「熱割れ」でガラスが割れてしまった場合は、ガラス交換をしましょう。割れたガラスの範囲など、ガラスの状態によっても、ガラス交換にかかる費用は異なります。まずは見積りを取ってみましょう。
ガラス代と工事費以外にも、出張費などの追加料金がかかるかもしれません。出張費がかかってしまう場合、近所にあるガラス屋さんに頼むほうが安いこともあります。
近くのガラス修理屋さんや、インターネットで探した業者などいくつかの業者を比較して、信頼できて納得のいく費用で、修理を依頼できる業者を見つけましょう。
ガラス修理にかかる費用は、小さなガラスであれば3,000円くらいから、大きな網入りガラスは15,000円~25,000円程度とさまざまです。1ヶ所だけではなく複数の見積りを取って考えるとよいでしょう。
まとめ
網入りガラスの「熱割れ」について、あまり知らない方も多かったかもしれません。冬場の大きな温度変化が網入りガラスにとってよくないことを知っていれば、「熱割れ」を防げる可能性が高くなります。
それでも、ガラスは繊細なため「熱割れ」を起こすことがあります。そのときは自己判断で間違った対応をせずに、きちんとプロの業者に依頼して、早めの修理をしてくださいね。
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